第5回歯あわせ感動物語作品募集中

歯あわせ感動物語は全国の歯科医院内で毎日実際に起こっている様々な出来事、スタッフの失敗談や患者様とのトラブルや感動的な出来事など真実の物語を作文にしていただく事で歯科の仕事に携わる素晴らしさに気づいていただき、さらには一般の人々に歯科医院への理解を深めてもらい歯科従事者への正しい認識を持っていただきたいとの趣旨で開催されます。
最も感銘を与えた作品として選ばれた4作品を提出した歯科医師2名とスタッフ2名の合計4名が表彰されます。

歯あわせ感動物語募集要項

昨年の受賞作品

お名前 中埜 秀史 様(坂井歯科医院)
資格 歯科医師
題名 諦めていた笑顔
本文

70歳代の女性が上顎部分床義歯の装着困難を主訴として初めて受診された。どうやら歯科恐怖症の徴候から数年来の歯科受診歴がないとのことであった。その間に残存歯が移動を来して義歯が装着できなくなったとのことであった。

「初めまして、担当させて頂きます中埜です。」と自己紹介をするが、その方の表情は硬く会話の成立が困難と思われたが、アシスタントの方が「〇〇さんは今日来院されるために美容院に行って来られたそうです、髪型お似合いですね」と会話のきっかけを作ってくれた。歯科医院に訪れる際にはきちんと身だしなみを整えて来られる、こちらも敬意を払って人生の先輩である方の治療をさせて頂くのだと改めて身が引き締まった。髪の毛も染めて来られており、風合いのある色味であったため、自分も「〇〇さん、わざわざ美容院に行って来て下さったのですね、ありがとうございます。髪型、お似合いですよ」と語りかけた。美容院の話題でアイスブレーキングできたのか、その方は来院のきっかけを語り始められた。当院に通院中の娘様が自分と同じ乳癌を患い、当院で治療を受けることで無事に抗癌剤治療を受ける事ができたとの事であった。娘様は乳癌の骨転移を来しているらしく、骨転移に対する骨代謝阻害剤は抜歯後に顎骨壊死を誘発する事もありえるため、その抗癌剤を用いた治療前に必要な歯科治療を済ませておくことは重要である。自身よりより病状の思い娘様に勧められ重い腰を上げて来院されたとのことであった。義歯が装着できない事で、典型的な老人様の口元となり、それが故に人前で笑うことも出来ず、外出するのも億劫になっていたと語られた。幸いにも簡単な旧義歯の調整で装着する事ができ、手鏡で本人に確認して頂くと、「え、本当に(義歯が)入ったんですか?  こんな事ならもっと早く(歯科医院に)来たら良かった」と。その方の表情には笑顔が見受けられ、そこで自分が「これで笑えますし、外出も出来ますね、今の笑顔と今日の髪型、すごくマッチしてますよ」と○○さんにお伝えすると、「笑うのも諦めてたんですが、これで笑えますね」と笑顔で語られた。その後は、疼痛の原因でもあった義歯床下の残根も抜歯行いつつ旧義歯の調整を重ねた。来院する度にスタッフの方も「〇〇さん、来院するたびにお洒落になってきますね」と僕に耳打ちしてくる程に、自分もその通りであると思った。口元が変わるだけで、表情から身なりまで変容する。これが歯科治療の原点ではないかと今更ながら悟った。今日もまた、あの方が来院して来られた。

「〇〇さん、入れ歯どうです?なんとか食べれてますか?」
「先生、この前、孫とロース肉食べて来ましたよ、アハハハハ」
「今度から新しい入れ歯作っていきましょうね、そしたら今度はお孫さんとステーキを食べに行かないとね。」
「アハハハハ、そうですね。」 

お名前 大坂 紗恵子 様(春藤歯科医院)
資格 衛生士
題名 感謝の気持ちを忘れずに
本文

シングルマザーとして5歳と2歳の二人の娘達を育てていかなければならなくなった日、とにかく働かないとと決心し、不安な気持ちを抱えたまま仕事を探しました。
そして、昼間は訪問介護の仕事、夕方からは歯科医院の受付として、掛け持ちしながら毎日を夢中で過ごしていました。「未来ある子供たちを安心して育てていくにはどうしたらいいの?」「専業主婦から一転、生活費という現実に向き合い何をすべき?」毎日自問自答の悶々とした日々を過ごしました。両親に子供たちを見てもらいながらの不安な毎日、自立した生活がしたい、安定した収入が欲しい、自分に自信を付けて前を向いて生きていきたいと段々思うようになりました。

 不思議なご縁で、昔興味があり取り寄せていた衛生士学校のパンフレットを、もう一度めくりました。学業とアルバイト、子育ての両立ができるかどうか、不安だらけでしたが悩みに悩んだ末、学校への入学を決心しました。
 学校の3年間はとても充実していて、家族や友人の支えの中、学業に取り組むことが出来ました。専任教員も親身になってくださり、優しい言葉をかけてくださいました。一つ一つの講義や実習を大切に臨み、再び学ぶことが出来ることに幸せを感じました。多くの友人にも恵まれ、心から親友と呼べる友と出会いました。この道に進んで良かったのかと、不安で落ち込むこともありましたが、周りの方々の励ましで3年間なんとか修得することができました。国家試験前日には担任の先生と同級生全員で前日宿泊し、年の離れた級友たちと問題を出し合い過ごしたことはとても楽しい思い出になりました。

 卒業式には3年間の頑張りを評価して頂き貴重な賞を戴きました。両親が子供を連れて来てくれたので、娘達に表彰される私の姿を見せることが出来、嬉しさのあまり涙が止まりませんでした。コツコツ頑張れば、必ず誰かが見てくれていることを身をもって経験することができました。
 衛生士を目指した事は遠回りだったかもしれません。これから経験するかもしれない辛いこと、苦しいことを乗り越えた時、多くの出会いや感謝を経験し、そして何より自分の事が前よりもっと好きになる事が出来る、また、辛い事、苦しい事を経験しているからこそ人に優しく出来ると思います。この道を選んだことは間違っていなかったと胸を張って言いたいです。 

 歯科衛生士1年目、これから新たな出会いが待っています。毎日が学びの時、患者様、院長、同僚から様々な気づきをもらい、理想とする衛生士像目指して頑張っていこうと思います。
 そして今、私や娘たちが明るく前を向いて生活出来るのは何より、両親のおかげです。励ましの声や心配り、何気ない言動から充分すぎるほど感じることが出来ました。改めて私は一人じゃないと感じます。心配ばかりかけている両親へ、今、心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。
「お父さん、お母さん。本当にありがとう!!!」

<募集要項>

  1. 歯科医師部門とスタッフ部門の2部門
  2. お一人様何作品でも応募OKです。
  3. 応募は歯科甲子園公式HPの歯あわせ感動物語よりご応募ください。
    ・本文は1600字以内
    ・歯科医院名、お名前、資格、作品名、本文を入力してください。

※入賞された作品は今後歯科甲子園のHPやリーフレット等に使用します。応募された作品は理由を問わず返却いたしません。また著作権は一般社団法人歯科甲子園に帰属します。

歯科甲子園D—1グランプリ
実行委員長 春藤泰之

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